
坂道を下り 小さなドブ川を 越えて
水たまりに足跡をつけて 走って行った
汗染みた指股をくぐり抜けて
僕らの二酸化炭素を嘲笑して
僕は錆びついた金網に かじり付いた
ヒトサシユビとナカユビは揺れるに委せて
火照った両耳を塞ぐことも出来ず
汚濁ったエンジンの音
紫陽花が色素を吐き出す息
瞬にすれ違って行く会話
赤蟻の規則的な足跡
渾沌と生き物が群れあう隙間を
君は素早く縫いながら
どこまでも いつまでも どこまでも
自由に駈けて行く
地面の隅にひりひりと一人で座り込んで
僕は次の君を待っている
朱い錆を擦りながら こっそり空を見上げたりして
僕は次の風を待っている